春の味覚をもっと楽しく!ふきのとう味噌アレンジ術

春の味覚をもっと楽しく!ふきのとう味噌アレンジ術

料理家、谷尻直子さんのコラム&レシピ

谷尻直子 Tanijiri Naoko
東京都渋谷区で予約制レストラン「HITOTEMA」を主宰。ファッションのスタイリストを経て、料理家に転身。「現代版のおふくろ料理」をコンセプトに、ベジタリアンだった経験や、8人家族のなかで育った経験を生かし、お酒に合いつつもカラダが重くならないコース料理を提案している。

抜群に楽しい!美味しい!季節の『ふき味噌』

前回、春ならではの食セルフケアということで、山菜の役割や、ふきのとうでつくる「ふき味噌」をご紹介しました。今回は、そのふきのとう味噌を使ったアレンジをお届けしたいと思います。

1)いつもの○○に足してマンネリ解消

ついついいつも同じ味付けになってしまうものってありませんか。

例えば、冷ややっこや焼きナスの味付け。「醤油+生姜」に偏りがちです。そんな時は代わりにふきのとう味噌を乗せるだけで定番の副菜も少し変わった印象で楽しめます。鰹節や炒り胡麻などをトッピングしても良いですね。

お豆腐繋がりで言えば、厚揚げや油揚げとも相性抜群です。ふきのとう味噌を薄く塗り伸ばしてオーブンで焼いてみるのはどうでしょう?

蒸し野菜に「ふきのとう味噌マヨ」もオススメです。ブロッコリーやじゃがいも、にんじん、蓮根など、癖がなくほんのり甘みのあるお野菜との相性が抜群です。

2)クリーミーな食材との組み合わせなら簡単でおしゃれなおつまみに

和の印象が強いふきのとう味噌ですが、クラッカーの上にチーズと共に乗せればワインと一緒に楽しみたいおつまみに変身します。チーズはクリームチーズやカマンベールチーズ、ブリーチーズなど濃厚でクリーミーなものがおすすめです。

チーズが苦手な方は代わりにアボカドはどうですか?
バターを塗って焼いたバゲットやガーリックトーストでも良いですね。バターと合わせるならじゃがバターにふきのとう味噌を乗せるのも美味しいです。

3)ハーバルな香りを生かして、パスタの味変に

独特ながら芳しい香りもふきのとうの魅力の一つです。香りをアクセントにするならパスタとの組み合わせがオススメです。バジルやローズマリー、オレガノなど香り高いハーブを使うイタリア料理ですが、日本のふきのとうも負けていません。ベースが味噌の味なので、トマト、オイル、クリームベースは何でも邪魔をしませんよ。パスタをお家で作るタイミングってワンプレートで簡単に食べたいなという時かな?と思うのですが、私は時々味に飽きてしまうことがあります。お皿の端にちょこんと添えたふきのとう味噌を途中に加えて味の変化を楽しみながら召し上がるのはどうでしょうか。

4)初春のおもてなしに、冬と春のマリアージュ

これまでは簡単なアレンジをご紹介してきたのですが、すこしだけ手をかけられる日は、ふきのとう味噌をメインの一品に使ってみましょう。

春の前半は、まだ冬食材が出回っているので、「真冬」をイメージする食材を組み合わせていただくのもお勧めで、例えばだし汁でコトコトと煮たやわらかい大根にふき味噌とゆず皮を乗せたり、バゲットに、軽くソテーした牡蠣にふきみそを乗せ、最後にたら~りと美味しいオリーブ油と挽きたての黒胡椒で仕上げるなど、冬と春のマリアージュを楽しんでみてほしいな!と思います。季節の養生は次の季節を予測して準備することですが、「いまいまの旬」と合わせると、尚、体調に合うものが作れると思います。

旬を問わずある食材であれば、ホワイトソースに合わせて「ふきのとう味噌クリームソース」はいかがでしょうか。ソテーした鶏肉やお魚の上にかけるだけでも良いですし、そちらを活用してグラタンを作るのも食べてびっくりされそうです。

こうしてご紹介していたら私も早く味わいたくなってきました。ふきのとうを含む山菜の調理の過程では「灰汁抜き」という文字を必ずと言って目にするかと思います。「灰汁」と書いてあるとなんだか悪い物に見えてしまいますが、灰汁の主成分はポリフェノールです。ポリフェノールは抗酸化作用があり、解毒や新陳代謝促進する働きがあります。独特なほろ苦さがあるのもポリフェノールの効果です。前回のコラムでも少し紹介しましたが、春に出てくる苦みのある食材を積極的に取り入れることで、冬に体内に蓄積した脂肪や老廃物を取り除くことができます。

今回ピックアップしたふきのとうには、抗酸化作用の他に、高血圧改善(ルチン)や抗アレルギー作用(フキノール酸、フキノン)、体脂肪の低減(クロロゲン酸)などの豊富な健康作用があります。春にはつぼみ、初夏にはぐーんと伸びた茎の部分をいただきますね。

苦みには栄養素的にも良い点がたくさんありますので、ぜひ取り入れていきたいものですが強すぎる苦みやえぐみはそのままだと食べにくさに繋がっていくので、適度にした処理をして美味しくいただくのが良いですね。

「人間は料理をして食べるという術を持ったから生物としてこんなにも急速に進化した」

私がマクロビオティックを学んだ時に、とても心に響いた言葉です。そのままでは食用には耐えがたいものを煮たり、焼いたり、要らないものを取り除いたり、自分たちにとって取り込みやすい形に調理することですぐに自分たちの力にできた人間は、環境の変化に負けずにここまで繁栄してきました。

これはお料理に限った話ではありませんね。受け取りがたい苦い言葉や現実も、心の中でかみ砕いて吸収しやすい形にできる人はどんな環境下においても自分らしく生きることができているなと感じます。そのままを飲み込もうとしなくてもいい、少し手間や時間はかかるかもしれませんが、自分の為に受け取る工夫をしてみよう、と背中を押された言葉なのでした。

ぜひ皆様も、ご自身の美味しいなと思える方法で春の苦みを取り入れてみてください。

もうすぐやってくるのは田植えの季節です。
田植えの季節にちなんで、お米活躍レシピをお届けしたいと思っています。

新しいことに挑戦しながら楽しんでセルフケアを行なっていきましょう!

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