梅雨から初夏、内側から整える香味野菜のレシピ

梅雨から初夏、内側から整える香味野菜のレシピ

料理家、谷尻直子さんのコラム&レシピ

谷尻直子 Tanijiri Naoko
東京都渋谷区で予約制レストラン「HITOTEMA」を主宰。ファッションのスタイリストを経て、料理家に転身。「現代版のおふくろ料理」をコンセプトに、ベジタリアンだった経験や、8人家族のなかで育った経験を生かし、お酒に合いつつもカラダが重くならないコース料理を提案している。

前回は、梅雨の時期を健やかに過ごすための食養生として、大葉をはじめとする香味野菜や酸味、苦みについてご紹介しました。今回は、そんな香味野菜、酸味、苦みを使った、季節の移ろいに寄り添うレシピをお届けします。

どれも、湿度や気圧の変化で重たくなりがちな心身をそっと整えてくれるものばかり。お買い物の際はぜひ、大葉、鶏肉・りんご・レモン・新生姜を手に取ってみてくださいね。

<一番手軽に!>

一番手軽に!大葉とりんごのスムージー

大葉の清涼感とりんごの甘さが驚くほど好相性。朝の一杯におすすめです。

【材料】
• 大葉 5~8枚
• りんご 1個
• レモン(皮と白い薄皮をむいて1/2個)またはレモン汁 大さじ1
• 氷 2粒
• 水 100cc
• はちみつ お好みで小さじ1
• 新生姜 1/2片(5g程度・お好みで無くても◎)

【作り方】
❶りんごは皮を塩でこすり洗いしてから、ざく切りに。
❷生姜は皮をむき、大葉は洗って軸の先端を切る。
❸すべてをミキサーでなめらかに攪拌したらできあがり。
※果物はカットして冷凍保存も可能。半量ずつ作るときにも便利です。

<さらりと食べられる整いごはん>

大葉と薬味たっぷり うめじゃこご飯

湿気で重くなりがちな体に、「気」を巡らせる香味野菜たちがそっと働きかけます。

【材料】
• ごはん 2合分(少し固めに炊いても)
• 大葉 6枚
• みょうが 1本
• 三つ葉 3茎程度
• 白ごま 大さじ1
• 梅干し 2個(種を除いてたたく)
• しらすまたはちりめんじゃこ 50g
• ごま油 小さじ2
• 塩 適量

【作り方】
❶大葉、みょうが、三つ葉を細かく刻む。
❷しらすにごま油を和えておく。
❸炊きたてのごはんにすべての材料を混ぜ、塩で味を調える。
❹器に盛り、白ごまをふり、仕上げにごま油をひとたらし。

薬膳だと「理気類」と呼ばれる分類に入る大葉やみょうがは、まさにこの季節の頼もしい味方です。

大葉、三つ葉、茗荷の3種を切って容器にいれて2日は使えるので、焼き魚ごはんや豚しゃぶの薬味、かけうどんに是非使って下さいね!

<和ハーブで楽しむエスニック>

大葉香る ガパオライス風

ホーリーバジルの代わりにたっぷりの大葉を使った、和の香り漂う一皿。食欲が落ちやすい時期にも、思わず箸がすすみます。

【材料】
• 鶏ひき肉 または小口切り 300g
• 大葉 10~13枚(手でちぎる)
• 玉ねぎ・赤または黄パプリカ 各1/2個(くし切り)
• にんにく・生姜 各1片(みじん切り)
• ナンプラー・オイスターソース・醤油、メープルシロップまたは砂糖 各大さじ1
• 水溶き片栗粉 少々
• 黒こしょう 少々
• 目玉焼き(半熟) 適量

【作り方】
❶フライパンでにんにくと生姜を弱火で炒め、香りが立ったら鶏肉を加える。

❷火が通ってきたら野菜を加えて中火に。調味料を加えて炒め、水溶き片栗粉で軽くとろみをつける。

❸炊きたてのごはんに盛り、大葉をたっぷり混ぜる。半熟の目玉焼きを添えて完成。

調味料がすべて大さじ1ずつと覚えやすいので、お料理が苦手な方にもおすすめです。お子様も召し上がれるくらいの味付けですが、大人のみでしたら、1.5倍量のたれで作っても。野菜のみずみずしさで出てくる水分が異なり、味の濃さが変わりますので、様子をみて加減してください。


<レモンと蜂蜜、ゆず胡椒と塩で>

10 or less 万能ソースのしっとり鶏

スムージーで余ったレモンを活用して、紫外線対策のビタミンタンパク質メニュー。薬味と香りの力で梅雨の重さをリセット。

【材料】
スムージーで余るレモンで作りやすい量(鶏むね肉約2枚分)
• レモン汁 大さじ1 (レモン1/2個分)
• 蜂蜜 小さじ1
• ゆずごしょう 小さじ1/2~1( 1がオススメ)
• 塩 小さじ1/4

【作り方】
❶小さめのボウルでたれの材料を良く混ぜ合わせる。

❷熱湯を沸かし、鶏肉をその中に入れて火を止め、蓋をして20分間そのまま湯の中で寝かせておくと、しっとり茹で鶏の完成。ゆで汁はスープや味噌汁に使いましょう。

❸梅じゃこご飯で使った「大葉、みょうが、三つ葉」の3種薬味を薄く削ぎ切りにした鶏肉に乗せ、ごま油またはエゴマ油、オリーブ油、ごま油など、香りの良いお好みのオイルを全体にかけ、たれをかけたら完成!

❹下にベビーリーフなどを敷くと、さっと作れるのに栄養満点の満足感たっぷりメニューの一皿に。

鶏肉の他、モツァレラチーズに薬味とたれをかけたり、冷や奴にかけても美味しい。

季節の変わり目には、香味野菜の力を借りて、体と心に軽やかさを。食材のチカラで、めぐりを整え、夏に向けて美しさの土台を育んでいきましょう。香りで心と体を整える台所のひとときが、静かな心の養生となり、あなたを元気にしてくれますように。

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