
美味しく腸活!1時間で完成する万能うま味調味料と納豆麹
料理家、谷尻直子さんのコラム&レシピ #023

谷尻直子 Tanijiri Naoko
東京都渋谷区で予約制レストラン「HITOTEMA」を主宰。ファッションのスタイリストを経て、料理家に転身。「現代版のおふくろ料理」をコンセプトに、ベジタリアンだった経験や、8人家族のなかで育った経験を生かし、お酒に合いつつもカラダが重くならないコース料理を提案している。
「暑いですね~」が、もはや合言葉のようですね。キッチンに立つのもおっくうな日があるかと思います。そして夏休みに入ると子どもたちの食事も毎日、いつも以上にキッチンにいる時間が長くなりがちですよね。
「あぁ、大人にも、子どもたちのような長い夏休みがあったらいいのに」なんて思いながらも、やるべきことはやらねばと、自分に気合いを入れる日々です。
そんな夏こそ、頼りにしたいのが「塩麹」と「納豆麹」。
同時に作れて、発酵時間もたったの1時間。炊飯器で作る塩麹は、甘酒を作る工程と似ており、常温発酵よりも仕上がりが甘く、これひとつで味が決まる、嬉しい『お助け調味料』です。
HITOTEMA塩麹の作り方

【材料(作りやすい分量)】
• 米麹:150g
• 40~50℃の湯:150cc
• 自然塩:45g(複数の塩をブレンドしてもOK)
【作り方】
❶ 米麹を常温に戻し、清潔な手でやさしくこすりほぐす
❷ 炊飯器の釜に麹を入れ、40~50℃の湯を注ぎ表面をならす。
麹が湯にきちんと浸かるよう、水加減を調整
❸ 炊飯器の蓋を閉じて「保温」ボタンを押し、1時間加熱
❹ 終了後、麹が指で潰せるくらい柔らかくなっていればOK。ムラがあれば混ぜて再保温10分
❺ 仕上げに塩を全量加えてよく混ぜれば完成。ペースト状にすれば使いやすくなります
【基本配合の目安】
麹:湯=1:1、塩=麹の30%
【豆知識:麹の種類】
• 白米麹:甘みがありクセが少ない
• 玄米麹:香ばしく栄養価が高いがややクセあり
どちらも発酵調味料として優秀なので、お好みで選んでください。
塩麹のアレンジレシピ
1)塩麹漬け焼き魚
【材料(1切あたり)】
• 魚の切り身:適量
• 細挽きの塩:魚の重量の2%
• 塩麹:大さじ1弱
【手順】
❶ 魚に塩をまんべんなく振り、10分おく
❷ 水分をペーパーで拭き取り、塩麹を塗る
❸ 3時間ほど置いて、グリルまたはフライパンで焼く
塩麹は甘みが強く、これだけで 『甘じょっぱくて深みのある味』に仕上がります。麹の発酵過程での55℃~60℃という温度帯は、アミラーゼの活動が活発になる温度帯のためです。
2)腸活コールスロー
【材料】
• キャベツ1/8個(130~150g)
• コーン:30~40g
• 塩麹:小さじ2
• マヨネーズ:大さじ1
【作り方】
❶ キャベツを千切り(またはみじん切り)にする
❷ 塩麹を混ぜて10分置く
❸ 水分を軽く切って、マヨネーズと和える
お好みで紫蘇を加えれば、和風コールスローに。キャベツの消化酵素と麹のダブル効果で、腸にやさしい一品です。
納豆麹の作り方

【材料(作りやすい分量)】
• 納豆(45g入り):2~3パック
• 人参:1本(千切り)
• 干し椎茸:1枚(戻して千切り)
• 出し用昆布:4cm×10cm(戻して千切り)
• 醤油:50cc
• 本みりん:60~70cc
• 米麹:75~80g
【作り方】
❶ みりんを鍋で煮立て少し煮詰まったら醤油を加える(目安は2分程度、醤油の量と1:1くらいが理想です)
❷ 千切りにした野菜をすべて加え、弱火で3分煮る
❸ 粗熱を取り、ほぐした米麹・納豆とよく混ぜる
❹ 室温で5~8時間置く(麹を一口食べて芯がなければ完成)
❺ 冷蔵庫で保存し、5日以内を目安に使い切りましょう

納豆麹の魅力
納豆麹は、冷蔵庫で約5日間保存が可能。
例えば…
• 納豆麹丼
• 冷奴の上にのせて
• 焼いたお揚げにのせて
• 万願寺とうがらしに添えて
など、毎日の一品に大活躍。

人参(緑黄色野菜)、昆布(海藻)、干し椎茸(きのこ類)と、積極的に摂りたい食材がぎゅっと詰まった、まさに『美腸を育てるビューティーフード』です。忙しい夏こそ、1時間の仕込みで何通りにも活用できる『うま味発酵調味料』は、心強い味方です。
次回のコラムでは、暑さの残る晩夏を健やかに乗り切る「疲労回復+内側からの美と健康」のアイディアをご紹介する予定です。どうぞお楽しみに。