春のゆらぎを整える日本茶ラテ
料理家、谷尻直子さんのコラム&レシピ

東京都渋谷区で予約制レストラン「HITOTEMA」を主宰。ファッションのスタイリストを経て、料理家に転身。「現代版のおふくろ料理」をコンセプトに、ベジタリアンだった経験や、8人家族のなかで育った経験を生かし、お酒に合いつつもカラダが重くならないコース料理を提案している。
春は、緑をいただきましょう。
薬膳の世界では、そんな言葉がよく語られます。
こごみやふき、そら豆やスナップエンドウ。
みずみずしい緑の食材が、確かに店先に美しく並ぶ季節になりました。
やがて5月を迎えると、日本では田植えの季節とともに、新茶の収穫が始まります。摘みたての新茶のあの澄んだ緑の色には、
この国に生まれてよかった…!
そんなふうに感じさせてくれるものがあります。
さて、日本茶や紅茶、そしてコーヒー。
日々の暮らしのなかで、自然に選択している飲みものは、誰しもいくつかあるのではないでしょうか。
お茶は、湯を注いで濾し、そのままいただくことが多いものですが、最近、私が気に入っているのは、ラテにして楽しむことです。
花粉症などのアレルギーへの働きが期待される緑茶「べにふうき」は、本来、発酵させて紅茶のために使われることが多い、やや強い苦味を持つお茶。けれども、この粉茶を選び、牛乳や植物性ミルクと合わせてラテに仕立てると、その一杯は、柔らかさもった飲み物となり、一気に癒しの時間へと姿を変えます。
どこか『体のためにいただくもの』という印象のあった一杯が、いつの間にか、心から楽しみにしたくなる存在になる。
熱湯を用意し、ミルクフォーマーやハンドブレンダーでミルクをふんわりと泡立てます。器には粉状のべにふうきと、あれば和三盆糖を、なければ普段使っているお砂糖を入れます。そこに湯を注ぎ、温めたミルクを重ねます。仕上げにひとつまみの茶の粉をあしらえば、ささやかながら、カフェのような佇まいに。

ひと手間かけることで、日常のなかに、「わぁ、美味しそう!」と、高揚感が生まれます。
茶筅は、これまで茶道のための道具という印象でしたが、ラテに仕立てることで、点てる時間そのものが楽しい時間に。ルールに縛られることなく、茶筅で仕上げるお茶時間は、伴って味わいもまた格別に感じられる。お茶の新しい魅力に気づかされます。
同じ配合で、抹茶やほうじ茶のラテを作ることもできます。友人を招いた折にお出しすると、予想以上に喜んでいただけ、その表情に、こちらまで嬉しくなる。
コーヒーを1日に何杯もいただくと、少し胃腸が気になる…。そんなお年頃の方にも、ぜひおすすめしたい一杯です。
贅沢な整え時間を、おいしく日々のなかに。
べにふうきのティーラテのレシピ

・粉茶:2g(小さじ1)
・和三盆糖:8g (お好みで調整)
・熱湯:40g (40cc)
・ミルク:70g(70cc)