夏を心地よくする「香り」の実験 ~スパイスミックス編~
料理家、谷尻直子さんのコラム&レシピ

東京都渋谷区で予約制レストラン「HITOTEMA」を主宰。ファッションのスタイリストを経て、料理家に転身。「現代版のおふくろ料理」をコンセプトに、ベジタリアンだった経験や、8人家族のなかで育った経験を生かし、お酒に合いつつもカラダが重くならないコース料理を提案している。
夏は気温が高いだけでなく、湿度も上がり、体が重だるく感じやすい季節です。
「さっぱりしたものが欲しい。」
「気分をリフレッシュしたい。」
そんな感覚は、暑さだけでなく日本の湿気も関係しているのかもしれません。薬膳では、この季節は「湿」が体内にたまりやすく、胃腸の働きが落ちたり、食欲が低下しやすいと考えます。
そんな時こそ、味だけでなく香りを上手に取り入れるのがおすすめ。私が夏によく作るのは、柑橘や生姜を使ったドリンク、そしてアイスチャイです。
本場インドでマサラチャイに使われることが多いのは、CTC(Crush • Tear • Curl)製法のアッサム紅茶。細かく加工された茶葉は短時間でもしっかりと抽出でき、ミルクやスパイスにも負けない力強い味わいになります。
一方で、日本の暮らしには、ほうじ茶や黒豆茶、小豆茶を合わせるのもおすすめです。紅茶とはまた違った味わいですが、香ばしさとスパイスが調和し、毎日でも飲みたくなる一杯になります。
私はまずスパイスミックスを作り置きし、チャイを作るたびに加えています。
スパイスミックス

スパイスミックス(5~8回分)週に一度で二ヶ月分。
・シナモンスティック 4本
・クローブ 10粒
・カルダモン 10粒
・ブラックペッパー 10粒
すべてを砕いて保存瓶へ。
ホールスパイスがお勧めですが、パウダーを使用したいという場合には、粉っぽさが気にならない様に少し減らし、
・シナモンパウダー 大さじ2
・クローブパウダー 小さじ1弱
・カルダモンパウダー 小さじ1
・ブラックペッパーパウダー 小さじ1弱

基本となる3種が、シナモンクローブカルダモン。ここにジンジャーを入れても、チリを入れてもOKですが、まずはスタンダードな配合から楽しんでみてください。
いつものチャイは、
・茶葉 30g
・スパイスミックス 小さじ1
・熱湯 550ml
茶葉とスパイスミックスを入れた耐熱容器に熱湯を注いで2分ほど待ってスプーンでかき混ぜたら、砂糖60gを入れた耐熱容器へ漉しながら注ぎます。

これが我が家の「ミルクティーの素」。
粗熱が取れたら冷蔵庫へ。約5日は持ちます。
飲む時は牛乳や豆乳で割るだけなので、暑い日でも手軽に本格的なスパイスティーが楽しめます。しっかりした甘みなので、フードプロセッサーを使ってクラッシュさせた氷も夏らしさが出て、なお、美味しいです。
本来、薬膳では真夏でも飲み物は常温。
氷は避けましょう!が基本ですが、時に、心が喜ぶ一杯も良いでしょう。
シナモンやクローブの甘い香り、カルダモンの爽快感、ブラックペッパーのほのかな刺激は、夏の気分転換にも、夏に食べたいエスニック料理の締めにもぴったり。
1週間に1度、アイスチャイの素を自家製🎵そんな夏はいかがでしょう。
そして次号、スパイスの次は、フレッシュハーブ。
夏の台所では、乾燥スパイスだけでなく、みずみずしいハーブも香りの主役になります。次回は、我が家で常備している「ハーブバターのまるごと!ガーリックトースト」をご紹介します。