静けさを招く夜支度 〜夜のデジタルデトックス〜
あなたらしく輝くためのkimi ヨガメソッド

200万DLを突破した大ヒットアプリ「寝たまんまヨガ」発案者。養成コース開発、ディレクション、指導者として活躍。著書に「いちばんよくわかるYOGAポーズ全集」他多数。
8月は、強い日差しや暑さの中で、知らず知らずのうちに心も体も疲れをため込みやすい季節です。夜になると、ようやく一息ついてスマートフォンを手に取り、SNSやニュースを眺めているうちに眠る時間になってしまう…。そんな夜を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
私たちは一日中、目で見て、耳で聞き、頭で考え続けています。便利な時代になった一方で、五感は休む暇もなく働き続けています。ヨガでは、心を静めるためには、まず外から入ってくる刺激を少しずつ減らしていくことが大切だと考えます。刺激が少なくなるほど、心は落ち着き、本来の集中力も自然と高まっていきます。
夜は、五感を少しずつ「おやすみモード」にしてあげる時間です。
部屋の照明を少し落とす。
テレビやスマートフォンを閉じる。
静かな音楽や虫の声に耳を澄ませる。
そうするだけでも、意識は少しずつ外側から内側へと戻っていきます。おすすめなのは、眠る前の呼吸です。
夜のリセット呼吸
①楽な姿勢で座るか、仰向けになります。

②ストローのように、少し口をすぼめながら口からゆっくり息を吸います。口の中を通り抜ける空気のひんやりとした涼しさを感じてみましょう。

③鼻から細く長く息を吐きます。
吐くたびに、一日の疲れや緊張が静かにほどけていくイメージです。
④5~10回ほど繰り返します。
⑤終えたら瞼を閉じて口の中の涼しい感覚を意識します。

呼吸をゆっくり行いなら、空気が入る涼しい感覚」「空気が出ていく感覚」を静かに観察してみましょう。すると、一日中外へ向いていた意識が、少しずつ自分の内側へ戻ってきます。
ふと思い浮かぶ今日の景色。
耳に残っている今日の会話。
それらを思い出したら、
「今日はありがとう。もう休んでいいよ。」
と心の中でつぶやいてみてください。
一日働いてくれた目も、耳も、頭も、静かに休息へと向かい、五感を少しずつ眠りへ導く夜の儀式になります。
ヨガでは、大切なのは感覚を閉ざすことではなく、自分が感覚の主人になり、自ら向ける先を選ぶことだと考えます。
スマートフォンや情報に意識を引っ張られるのではなく、自分で呼吸や空気の涼しさを感じることを選ぶ。その小さな選択が、心を静けさへ導いてくれるのです。
心が静まると、呼吸は自然と深くなり、眠りの質も少しずつ変わっていきます。朝目覚めたときの頭の軽さや、体のすっきり感も違ってくるでしょう。夜は、自分を整え、明日の自分へ静かにバトンを渡す大切な時間。どうぞ今夜は、五感にも「おやすみなさい」を届けてあげてくださいね。