大いなる自分に戻るチンムドラー 〜心の声に振り回されないために〜
あなたらしく輝くためのkimi ヨガメソッド

200万DLを突破した大ヒットアプリ「寝たまんまヨガ」発案者。養成コース開発、ディレクション、指導者として活躍。著書に「いちばんよくわかるYOGAポーズ全集」他多数。
こんにちは!
キミです。
9月は、暑かった夏の疲れが心にも体にも表れやすい季節です。
体が疲れていると、心にも余裕がなくなり、
「もう嫌」
「面倒くさい」
「どうせうまくいかない」
そんな声が、いつもより大きく聞こえることがあります。
けれど、私たちの中にある声は、それだけではありません。
感情のまま反応する自分もいれば、
「きっとうまくいく」
「本当はどうしたい?」
と、少し離れたところから自分を見ている自分もいます。
ヨガでは、心にはさまざまな動きがある一方、その奥には、それらに振り回されずに見つめている静かな意識があると考えます。
その感覚を思い出すために使われる手の形をご紹介します。
人差し指と親指の先を軽く触れ合わせる「チンムドラー」は、仏教における「印」にも通じる手の形です。両手のひらを合わせて祈る合掌も、身近な「印」のひとつです。
ヨガでは、親指は大いなる存在、宇宙的な意識を、人差し指は「私」という個の意識を象徴すると伝えられています。離れていた二つの指が触れ、一つの輪になる。それは、目の前の出来事に一喜一憂する自分から少し離れ、もっと大きな視点に戻ることの象徴でもあります。
チンムドラーのやり方

①椅子や床に楽な姿勢で座り、背筋を自然に伸ばします。

②両手の親指と人差し指の先を、やさしく触れ合わせて輪をつくります。

③手のひらを上に向け、太ももや膝の上に置きます。

④瞼を閉じ、指先が触れている感覚に意識を向けながら、ゆっくり呼吸します。
⑤何か浮かんできても追いかけず、指先の感覚へ繰り返し意識を戻します。
疲れているときほど、その瞬間の感情や考えを「自分のすべて」だと思ってしまいがちです。
そんなときこそ、チンムドラーを結び、ほんの少し心の声から距離をとってみましょう。
怒っている自分。
不安になっている自分。
投げ出したくなっている自分。
どれも自分の一部ですが、すべてではありません。感情を消す必要も、無理に前向きに変える必要もありません。ただ、「今はこんな自分がいる」と眺めてみる。すると、その奥にある静かな声が聞こえてくるかもしれません。
「今日は休もう」
「そんなに急がなくても大丈夫」
「本当に大切なのは何だろう」
それは、目の前の感情に反応する声とは少し違う、広いところから自分を見つめる声です。
夏から秋へと季節が移り変わる9月。
揺れる心の声にすぐ答えを出すのではなく、ときには静かな自分に戻る時間をつくってみてください。親指と人差し指でつくる小さな輪が、目の前の感情にとらわれず、もう少し広い視点から自分を見つめる入り口になってくれるはずです。