罪悪感のない夜時間。発酵や乾物で整えるギルトフリーおつまみ 【其の2】
料理家、谷尻直子さんのコラム&レシピ

東京都渋谷区で予約制レストラン「HITOTEMA」を主宰。ファッションのスタイリストを経て、料理家に転身。「現代版のおふくろ料理」をコンセプトに、ベジタリアンだった経験や、8人家族のなかで育った経験を生かし、お酒に合いつつもカラダが重くならないコース料理を提案している。
整えるおつまみ
前回、ギルトフリーおつまみを3品お届けしましたが、今回はその後半です。
手を使って食材に触れ、言葉ではないコミュニケーションをはかるからでしょうか。短時間でつくれる小さなおかずでも、自分で作ると何故か満たされます。今日は、冬にいただきたい食材を使った、手間をかけすぎない、失敗しない、『整えるおつまみ』を3つご紹介します。
焼き葱のマリネ

【材料/作りやすい分量】
・長ネギ 2本(4cm程度にカット)
・水 50〜100cc(100ccがおすすめ)
・酢 100cc
・ワイン 100cc
・きび砂糖 50g(大さじ4と1/2)
・自然塩 小さじ2
・ローリエ 3枚
・赤唐辛子 2本 または 黒胡椒5粒(半分にちぎってタネを取る)
・にんにく 1片

鍋でマリネ液を煮立て、3cm程度に切って表面にこんがりと焼き色をつけた葱を入れ、
粗熱が取れたら冷蔵庫で保管。
焼き目の香ばしさと、酸味のあるマリネ液が合わさると、葱の甘みがぐっと引き立ちます。
切り干し大根のソムタム風

ソムタムというのはタイの定番サラダで、通常は青パパイヤと魚醤で作ります。切り干し大根は浸水せず、水を通したらすぐにあげ、ボウルでそのまま10分程度置いておきます。水通しただけの水分量で、きちんと戻ってくれます。何より、水に浸しておく戻し方よりも、甘味などの旨みが逃げにくく、柔らかくなり過ぎず、ほどよい歯ごたえがしっかり残ってくれるのが良いのです。
【材料/作りやすい分量】
・切り干し大根 20g〜
・ゆず または レモン果汁 大さじ2(約1個分)
・甘酒 大さじ2
・ナンプラーやしょっつるなどの魚醤 大さじ1
たれの材料を合わせて、戻した切り干し大根に、少しずつ様子を見ながら和えるだけ。浸水せずに戻した切り干し大根のシャキッとした食感と、酸味・甘み・塩味の重なりが後を引く一皿です。
〈モツァレラやっこ〉

冷や奴のアレンジですが、モツァレラチーズを「切る」のではなく、手で「ちぎる」のがポイントの一品。
塊のモツァレラチーズは水を捨て、手で一口サイズにちぎります。しっかり水気を切ったら皿に盛り、エゴマ油、ごま油、またはオリーブオイルを一回し。そこに塩と、有ればピンクペッパーをひねり入れて完成です。
木綿豆腐を同様に水切りして手でちぎり、モツァレラと交互に重なるように並べた、食材ダブル使いもおすすめ。包丁で切っては味わえない、ほぐれた断面の味わいを楽しんで頂きたい一品です。
香りや酸味、食感を活かしたシンプルな小皿は、身体を軽やかに保ちながら、心をほどいてくれます。
忙しい日々の中で、
「少しだけ、調理という作業をして自分の身体の事を想う」という選択を重ねていくこと。
それだけで、夜の時間は静かでやさしいものに変わり、明日へのパワーチャージになっていくのかな、などと感じます。